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2015/05/16

楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた


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5月の金曜日、楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた。
明日行われる富津海水浴場でのイベントに、ジェットスキーを貸して欲しいと頼まれたタケシたちの親が、それなら人間ごとまるっと貸しましょうと安請け合いしたためだ。
友好関係にある神農同士のこうしたやりくりは比較的よくあることだ。

日ごろから頼まれごとは自分らの商売以上に重要だと教え込まれていたタケシたちは大慌てで準備を整えた。
タケシの兄貴分もやって来ててきぱきと指示を出し、若い者たちはアクアラインを使って前入りするように、またタケシは房総の親分さんに挨拶に伺うようにとのことだった。
親分さんに挨拶とはタケシには初めての経験である。

兄貴、挨拶ってやっぱスーツですか。
あほか、お前。仕事着でいいんだよ。稼業なんだから。
いいんですか。
いい。ただし背筋伸ばしてビシッと挨拶な。
はい。
それからこれ。藤沢の叔父さんから。
なんすかこれ。
房総の親分さんに。お見舞いだと。
あー聞いたことあります。
若い頃、世話になったって話だ。
利根川の話しですね。
おう。それそれ。

というわけで、余ったジェットスキーを1台、軽トラに乗せ、簡単な地図を頼りにタケシは千葉に向かっているのだった。
その道すがらタケシはリカコに電話を入れた。

明日は富津で仕事なんだけど来るか?
千葉? いくいくー。
リカコ、バイト終わり何時なんだっけ?
8時半くらいかなあ。
じゃあ津田沼23時待ち合わせでどうだ。
津田沼? うーん。オッケー。急いで行く。
ゆっくりでいいよ。23時な。
うん♪

去年の夏から付き合っているリカコとの関係は良好で、タケシはリカコの声を聞いているだけでも幸せな気分だった。
本当は週末といわずいつでも一緒に居たい、そんな心持ちだった。

よーし、そんじゃ一丁頑張るか。

周りを行く早い車からばんばん抜かれながらも、軽トラはタケシの軽快な運転で京葉道路をひた走った。

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2015/05/15

件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった


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件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった。
広い屋敷の隣はトタン作りの工場のようになっており、だぼシャツ姿の兄さん方が明日の準備かトラックへの出店の積み込みをやっていた。
タケシはその工場の隅っこに車を停め、兄さん方に軽く会釈しながら、屋敷の玄関に入っていった。
昔ながらの造りの家である。玄関をくぐると、一瞬、空気がシンとしたような気がした。
雰囲気に押されまいと、タケシは大きな声を張り上げた。

ごめんください。

その声に応えて、屋敷の奥から現れたのはスーツ姿にリーゼントのいかつい男だった。
兄貴、スーツじゃねーかよー。俺、Tシャツとジーンズで来ちまったよー。とタケシは思ったがもうしようがない。負けられない。

はい。なんでしょう。
神奈川の○○会の楠と申します。富津のお手伝いに参りました。親分さんにお目通りを。
お待ちください。

男が立ち上がって奥に退こうとすると、座敷の方から声が聞こえてきた。

聞こえた。聞こえた。上がってもらえ。
はい。どうぞ。

房総の親分さんの声だろう。いよいよ緊張マックスである。タケシは靴を脱いで端に揃え、男の後について座敷の入り口に立った。

失礼します。

深々と下げた頭を上げると、座敷の真ん中にはベッドが置かれ、柔和そうなおじさんが半身を起こしていた。
タケシは男に導かれて少し離れた場所に正座をした。親分の目を見据えた後に、再び頭を下げる。

初めまして。神奈川の○○会の楠と申します。○○に言われまして富津のお手伝いに参りました。
うん。無理を言ってすまないね。遠いとこ良く来てくれた。

雰囲気に飲まれまいと気張って声を張り上げるタケシに対して、親分さんは物腰の柔らかい声だった。

○○からくれぐれ宜しくと。それと、これは藤沢の叔父貴からの託けです。
藤沢っていうとあれか。源ちゃんか。あいつは元気にしてんのかい。
あ、はい。なかなか私ではお会いする機会もありませんが、元気にバイしてらっしゃいます。
そうかそうか。あいつも律儀だな。

親分さんの眉が垂れ下がり、昔を懐かしむような顔になった。

あいつが食えないときに利根川のアサリ掘らせてたの俺なんだ。わっはっは。
はい。酒の席で叔父貴から聞かされております。
そうか。そうか。わっはっは。げほげほ。

いかつい男がそろそろとタケシに目配せし、親分!とベッドの傍に移った。

うん。分かった分かった。じゃあ悪いけど明日は頼むよ。あと神奈川にもよろしくな。
はい。承りました。

タケシは再び深々と頭を下げ、男に導かれて座敷を後にした。
時間にすれば10分も経っていないのだが、背中には汗をかいているようだ。しかし、タケシはなんとかやり切った感じでほっとしていた。
と、ここでいかつい男が「若い人たちに」と内ポケットから封筒を取り出した。
そんな展開は予想もせず、どうして良いか分からなかったタケシがまごまごしていると、「こういうのはもらっとくもんだ」とやっと男が笑った。

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2015/05/14

母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。


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タケシは軽トラに戻ると、いかつい男からもらったご祝儀をダッシュボードに突っ込んだ。
妙な言葉遣いをしなかったか。俺はうまくやれたのかなと、今になって脇汗が吹き出してきた。

(まあ、なるようにしかならねえしな。)
(怒られなかったんだから大丈夫だろう。)

タケシは親分さんの家から軽トラを出しリカコと待ち合わせの津田沼へと向かった。
リカコとの待ち合わせは23時だったので、まだ全然余裕だ。
夕焼けの中、市道をのんびりと走っていたタケシは、道沿いの先にデニーズの看板を見つけた。
一仕事終えた感でくたくただったタケシは、ハンドルを切って車をデニーズの駐車場に滑り込ませた。
荷台に結びつけたジェットスキーのロープの張りを確認して、タケシはデニーズに入って行った。

オムライス。

リカコとの待ち合わせまでにはまだ随分ある。軽く食事をすませておこうとタケシは注文した。
「デニーズは、やっぱりオムライスだよな」独り言をつぶやいてタケシは一人笑った。
オーダーを取りに来たパートは一瞬怪訝そうな顔を見せたが、かしこまりましたと注文を通しに下がっていった。

子供の頃、親父と一緒にデニーズに来たよなあ。

タケシの父親は肉体労働者で川崎の工場に通っていた。
タケシとはよくキャッチボールをして遊んでくれた。今で言う子煩悩な親だった。
キャッチボールが終わればデニーズだ。

「お前玉投げるの早くなったなあ」
「うん」
「よし。何でも食え。アイスか?ジュースか?」
「なんでもいい?」
「おお。何食いたい。」
「オムライス!」
「腹減ったのか。」
「うん。」
「そうか。よし大きくなれ。ねえさん、オムライスな。」

こんな時の父親は上機嫌だった。
自分はビールを飲みながら、タケシがオムライスを食べるのを目を細めて見ているのだった。
二人の話題は大抵野球で、ベイスターズの選手の一人ひとりについて語り合った。

そんなタケシの父親はタケシが10歳の時に亡くなった。
交通事故だった。

保険だか年金だか慰謝料だかで生活は苦しくなかったはずだが、母親が塞ぎ込んでしまった。
そんな母親を勇気付けようとタケシ少年は家事を手伝い、勤めて明るく振舞った。
数年で母親も明るさを取り戻したが、それはタケシの功ではなく、タケシの知らない大人の男のおかげのようだった。
母親はなにか綺麗におめかしして出かけるようになり、中学生のタケシにもなんとなくそれは分かった。
母親はタケシを気にしてか男と籍を入れることはなかったが、タケシには気に食わなかった。
タケシは荒れて学校でも大暴れし、いつしか暗い世界にも出入りするようになって行った。

(ちぇ。暗いこと思い出しちまったな。)

今ではタケシにも母親の気持ちが分かるようになり、普通に接することができるようになっている。
母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。

(俺が子供だったんだ。大人の男になりゃいいんだよな。)

タケシは運ばれてきたオムライスにスプーンを刺し、大きな口でぱくついた。

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2015/05/13

ビルの陰から10数人近い男女が現れ、タケシの車に近づいてくるのが見えた。


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タケシは津田沼駅のロータリーに車を突っ込んだ。
コンビニで立ち読みをして時間を調整したのだが、それでもやはり早くついてしまった。

(もっと停めやすいところねーかな)

夜風が肌寒いので助手席からアロハシャツを取り煙草に火をつけて、5,6歩歩き始めたときだった。
ビルの陰から10数人近い男女が現れ、ロータリーに停めたタケシの車に近づいてくるのが見えた。
若者らは聞き慣れない言葉で声を荒げ、タケシの車を指差した。

ち、面倒なのがきやがったなあ。

タケシが車を動かそうと運転席側に回ると、それよりも早く異国の若者らが車を囲んだ。
わーきゃー言いながら女の一人が手を伸ばしてジェットスキーに触ろうとするので、タケシは車のドアを離れ荷台に回った。

おい。触んなよ。

女がジェットスキーに伸ばした手をタケシが払うと、若者らはタケシを囲んだ。男と女の2重の輪だった。
そして口々に罵声のようなものを浴びせるが、何を言っているのかタケシには分からなかった。
異国の言葉だ。聞き慣れない言葉の間に「ずるい、ずるい」という単語が挟まる。

なにがズルイんだよ。馬鹿。

タケシを囲んだ集団の中でもひときわ背の高い男がタケシの目の前に立ち、火を吹くような勢いで罵り始めた。
うるせーなーこの馬鹿と、タケシが目線を横にやると、先ほどの女が荷台に乗り込もうとしているのが見えた。

あ、コラ!

半身をよじって一歩女に近づこうとした瞬間、タケシの後ろ頭に衝撃が走った。
一瞬で目の前が暗くなる。

・・・

ポケットをもぞもぞと探られる感触でタケシは目覚めた。
どうやらビルの隙間の薄暗がりに転がされているようだ。
目の前に金髪で目の釣りあがった男の顔があったので、タケシは右腕を振り上げ男を追い払った。
とその瞬間、鼻っ柱を激痛が襲い、まぶたの裏に紫の星が点滅した。
鼻を手で覆いながら薄目をあけて周りを見ると、先ほどの男の集団に囲まれているようだ。
おそらく横に立っている別の男からの顔面蹴りがヒットしたのであろう。

(くっそ。最悪だな。)

丸くなって転がるタケシのズボンに金髪が手を入れてきた。
タケシが抵抗すると、腹や背中に容赦のない蹴りが降り注いだ。
そのうち、ゴキンっと酷い音がして右足に激痛が走った。
タケシはうめいて転がったが、右足は動かなくなっていた。
ガランと重いプラスチックが転がる音がした。
ビールケースだろう。男らが笑い声を上げた。

先ほどの金髪がタケシの右ポケットから車のキーを引き抜き、勝ち誇ったように右手をかざした。
若者らは大声で歓声を上げた。

馬鹿野郎!返せよ!

タケシが身をよじって金髪の足にしがみつくと、周りからまたもや蹴りが降り注いだ。
その蹴りは、タケシの頭と言わず首、手のひら、ひじ、ひざ、そして折れているであろう右足にも容赦なくつき刺さった。
異国の集団は、タケシが完全に動かなくなるまで蹴り続けた。
 
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2015/05/12

星も見えないビルの隙間、タケシの口元から煙草がこぼれ落ちた


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薄暗い闇の中でタケシは目覚めた。
頭と体がズキズキと痛む上、前もよく見えない。
腫れたまぶたを上げ、目玉を動かして周りを見ると、自分がビルの壁かなにかに寄りかかるように座っているのが分かった。
力を入れてみるが足は両方とも動かない、右腕も上がらない状態だった。

(くっそ。あいつら。)

左の遠い雑踏の方からわずかに光が漏れてきていた。
タケシは唯一動く左腕を返して時計を見てみたが、その時計はガラスが割れ、針もなくなっていた。

(何時なんだよ。くそ。リカコ待たせてるな。これ。)

タケシは胸ポケットからくちゃくちゃになった煙草を引っ張り出し、どうにか口に咥えた。
震える左手でライターの火をつけ、小さく吸い込む。

(どうすっかな。リカコ。。。)

タケシは二口目を吸って、目を瞑った。

(リカコ。。。)

左手がだらんと垂れ下がる。星も見えないビルの隙間、タケシの口元から煙草がこぼれ落ちた。

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