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2015/05/23

5月の夜、遠藤リカコは東西線に揺られていた



5月の夜、遠藤リカコは東西線に揺られていた。
金曜の夜だというのに車内はそれほど込み合ってなく、座ろうと思えば空いている席もいくつかあったのだが、リカコは出口近くのバーに背中を預けて立ち、外の景色を眺めていた。

今、リカコは恋人の楠木タケシの待つ津田沼へと向かっていた。
リカコは東京生まれだが電車で千葉方面に向かったことはあまりなかった。精々、ディズニーランドに遊びに行ったことがある程度だ。

(総武線の方が良かったのかなあ・・・)

待ち合わせは23時なので時間的には十分余裕があったが、慣れない駅での乗り換えは不安だった。
スマホで電車の接続を確認したついでに、先ほどタケシに送ったLINEのメッセージを見てみたが、既読はついていなかった。
既読になれば返事くらいはくれるはずなのだが。

(まだ挨拶が終わってないのかなあ・・・)

あまりタケシの仕事の邪魔をしてもいけないので追加のメッセージを送るのは気が引けた。
リカコはふうとため息を一つつき、再び窓の外の景色に目をやった。



リカコは新宿生まれの新宿育ち。ウィンドサーフィンが趣味の20歳の女子大生だ。
いや、ウィンドサーフィンへの思い入れは既に趣味の範疇を越え、いくつもの大会に出るなど将来はプロになりたいというくらいの惚れ込みぶりだった。

リカコの父親は貿易会社の役員をしており家庭的には裕福だった。
またリカコの父親自身も二級小型船舶免許を持つほどの海好きであり、プロウィンドサーファーになりたいというリカコの夢に口を出すことはなかった。
母親も「大学くらいは卒業しなさいね」と小言を言う程度で、大学の単位さえ落とさなければ口やかましいということもなかった。

活発で明るいリカコには大学での女友達も沢山いたが、チャラ男が集まったウィンドサークルにはいまいち馴染めなかった。
そのためリカコは、平日は真面目に大学に通う一方、休日は父親のお古のボルボワゴンにウィンドを乗せ湘南へと足繁く通っていた。
真面目にウィンドに取り組む、湘南の友達の輪のほうが気持ちよかったのである。

今の恋人の楠木タケシとは、去年の夏の始まりに、そんな湘南で出会ったのだった。
 
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2015/05/22

ねえねえ。お姉さん。一人じゃん。俺らも東京から来て二人で寂しくてさあ(笑)



ねーさーん、ジェットスキー乗ってかなーい。

小麦色に焼けた肌、豊満な胸、スラリと伸びた肢体、長い髪を風になびかせて浜辺を闊歩するリカコはよくナンパされた。
この日も早朝からウィンドの練習をし、車で仮眠をとった後に、朝昼兼用のご飯を食べようと浜辺を歩いているところに声をかけられたのだった。
高い声に反応してふっとそちらの方を見ると、声の主はジェットスキー屋の店番のお兄ちゃんだった。
海に浮かれたヤンキーがこうして絡んでくることはあったが、店番のお兄ちゃんが声掛けしてくるのは珍しかった。
夏らしく真っ黒に焼けてはいるが、麦藁帽の下には幼さの残る可愛らしい顔。高校生だろうか。

あっはっは。ちゃんと仕事しなー(笑)

僕ちゃんの可愛い声掛けをリカコは笑っていなした。

海の家に着くとリカコは馴染みのおばちゃんのソース焼きそばを食べ、フローズンソーダを飲んで休憩した後、昼食時で忙しくなったお店の皿洗いを手伝った。

リカちゃん、いつも悪いねえ。
いいのよ、おばちゃん。あたし夕方まで暇だし。
今日は泊まるの?
うん。いつもの合宿所で雑魚寝。明日早いし(笑)
そうか。夜も食べにおいでよー。
うん。そうするかも(笑)

大学に入ってからずっと湘南に通い続けているリカコには地縁があった。もちろん湘南は地元ではないが、地元と同じくらいにこの土地を、そしてここに住む人たちが好きだった。
海の家も忙しい時間帯を抜けたので、リカコは皿洗いを終え、再び車に向かって浜辺を歩き始めた。太陽がじりじりと照りつけるこの時間帯の海辺も好きだった。
遠い遠い浜の端まで歩いていると、二人組みのヤンキーに声を掛けられた。
一人は金髪でTシャツに海パン。ネックレスがジャラジャラと音を立てそうに首からぶら下がっていた。
もう一人は長髪で、これでもかと体を焼いた真っ黒男。しかもジンベエ姿である。

(うわ。だっさ。)

ねえねえ。お姉さーん。一人じゃん。
俺らも東京から来て二人で寂しくてさあ。
そうそう。そういうわけ。よかったら遊ぼうよ。
いやー。あたし一人じゃないんで。
マジ? 良かった。じゃあ2対2で遊べるじゃん。
おま、それ最高。いえーい。
イエーイ。
いや全然。遊ばないですから。
ま、そんなこと言わないでさ。
お友達も紹介してよー。
ていうか、ちょ、離してください。

真っ黒男がリカコの腕を取ろうとしたので、リカコは両腕を上げて胸を隠し後ずさった。
その時、緊張するリカコの目の端に動く何かが映った。
金髪と真っ黒男のはるか向こうから、「キーン!」とか言いながら走ってくる麦藁帽だった。

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2015/05/21

男がリカコににじり寄ろうとした時、麦藁が高飛びのように足を踏み切った。



麦藁帽が全力で走りながら、避けろ避けろと手をちょいちょい左に動かすので、リカコは左向きに後ずさった。
真っ黒男がリカコににじり寄ろうと一歩踏み出したちょうどそのタイミングで、麦藁帽が高飛びのように足を踏み切った。
水平になったその姿があまりにも鮮やかで、まるで麦藁帽の体が空中に浮いているかのように、リカコの目にはスローモーションのように映った。

「トーっ!」と、麦藁帽が真っ黒男の背中に水平キックを見舞った。
突然の背後からの襲撃に真っ黒男はもんどりうって倒れこみ、顔面から砂に突っ伏した。
そこに勢いのついた麦藁帽の体が落ちてくる。全体重が乗った肘が真っ黒男の背中に突き刺さり「ぐえっ」と蛙のような声が青空に響いた。
麦藁帽は速攻で立ち上がり、ビーチサンダルで真っ黒男の頭をがしがしがしっと3回踏みつけた。

正義の味方 参上!

やり方がえぐいが、その言い方とあまりにも鮮やか過ぎる展開にリカコは目を見開いたまま動けなかった。
ここで事態が分からず呆然としていた金髪が、やっと仲間をやられたことに気づき、いきり立った。

○×△※☆▲*!○×△※☆▲*!われー!

最後の「われー!」以外はよく聞き取れない。異国の言葉のようだった。
金髪が威嚇しようと一歩二歩と足を踏み出すと、麦藁帽は前触れもなく「ドーン!」と前蹴りを放った。
この前蹴りがまた面白いように金髪の腹に突き刺さり、金髪は腹をかばおうと前かがみになった。
そのタイミングを逃さず麦藁帽が歩を進め、金髪の頭をわっしと抱えると2回、3回と左右の膝を入れた。

しゅみません。しゅみません。。。

金髪が即効で音を上げた。真っ黒男は起き上がって膝立ちになっていたがもう反撃する気力はないようだ。

・・・

この海岸で悪いことしたらいかんぞ。

麦藁帽は金髪と真っ黒男を正座させ、顔に似合わない説教を垂れていた。
この頃になると周りには野次馬が集まり、その内の何人かは麦藁帽の知り合いらしかった。
金髪は顔を腫らし鼻血が出続けていて、真っ黒男は砂だらけのままだった。
どう見てもやり過ぎの麦藁帽のくせに、真っ白なTシャツで腰に手をやり胸を張って説教する姿と、麦藁帽の幼い顔があまりにもアンマッチでリカコは可笑しくなった。

ね。もう。いいから。

リカコが麦藁帽の後ろから白いTシャツを引っ張った。

え、いいの?
いいって。人も集まってるでしょ。
あ、もういいってさ。

やっと許された金髪と真っ黒男がノロノロと立ち上がり、前かがみになりながら人ごみを分けて去ろうとした時

ねーさんに謝って行かんか!

とタケシのケンカキックが真っ黒男の尻を蹴飛ばし、野次馬からは歓声が上がった。

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2015/05/20

あの二人付き合ってるんだろう?と勘違いされてた夏の終わりに告白してくれた



そんなこんなで知り合ったリカコとタケシであったが、リカコはすぐにタケシと付き合い始めたわけではなかった。
しかしリカコが湘南にウィンドの練習に行けば、必然的にタケシに会うことになる。
毎週のように顔を合わせてお喋りをしているうちに、リカコはタケシも悪いやつじゃないんだと思うようになった。

話してみるとタケシとリカコは同い年だった。ただしリカコの方が早生まれだったので学年的には一つ上だ。
リカコは、タケシの最初のナンパの印象が強くチャラ男と踏んでいたのだが、話し込んでみると意外に上下関係に厳しい、礼儀正しい男だと分かった。
高校生のように線が細く華奢に見えた体は、初日の喧嘩からも分かるように全身バネのようなぎゅうぎゅうに引き締まった筋肉で覆われていた。
手下を従えた乱暴者でもなく、それは、地元の若者からタケシさん、タケシさんと親しまれていることからも分かった。
海の家の馴染みのおばちゃんも「タケちゃんなら知ってるよー」と笑いながら色々な話を教えてくれた。
そうして色々な話をしていく内に、最初、幼く見えた顔も麦藁帽子を取ってみればリーゼントの決まった男前に見え始めたのだった。
そうして、周りからすると「もうあの二人付き合ってるんだろ?」と勘違いされてた夏の終わり
タケシが告白してくれた。

リカコと付き合いたいんだ。

夜の浜辺を二人で歩いているときに、前を歩いていたタケシが振り向きざまに言ってくれた。

遅いよ、馬鹿。もう夏、終わるよ。
いや、リカコ。馬鹿ってなんだよ。
だって馬鹿じゃん。鈍感。
鈍感って。それOKってことだよな?
何回も聞かない!
・・・ん。
なに?
キス。
馬鹿じゃない。
ん。
んんん。

抱きしめられてタケシと初めてのキスを交わしていると、ぴゅーっと音が鳴ってロケット花火が打ちあがり、海の上で弾けた。
花火は5本も、6本も上がった。
そして花火を発射してる方角からわーっと若者集団が飛び出してきた。

タケシさん、おくてー
ん?とか聞こえたよー
ぎゃっはっはー

タケシを慕う若いあんちゃん達だった。

てめーら見てたのかー。
絶対、今日だと思ったもんねー。
まて。おめーらー。
ぎゃっはっはー

タケシが後輩を追いかけて走っていってしまった。
もう、ムードもへったくれもないなあと、リカコは笑うしかなかった。

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2015/05/19

タケシのことを思っていたリカコだが告白に踏み切れなかったのには訳があった



ずっとタケシを憎からず思っていたリカコだが、自らが告白に踏み切れなかったのには訳があった。
それはタケシの職業がテキヤだったからである。
タケシは神奈川一帯に根を張る伝統的な神農団体に所属していた。

正直に言って、普通の社会に生きてきたリカコにはテキヤとやくざの違いがよく分からない。
タケシが間違いのない良い男だというのは、周囲の評判からも自分自身が見てきたタケシの人柄からも理解はできる。
だが常識的な両親に育てられ、普通に高校から大学へと進み、一般的な生活を送っている自分がやくざと付き合うとは、これから一体どうなってしまうのか不安があったのだ。

二人が付き合い始める随分と前のある夜、地元のパーティの2次会でリカコはタケシに直接聞いてみたことがある。
もちろん、タケシが何を聞いても怒らずに教えてくれるとリカコは分かっていたからだ。

だってテキヤってやくざなんでしょ?
いや違うって。やくざは8、9、3。足して0。役に立たないの。
足したら20だし。なんの話か分からないよ。
花札だよ。
いま花札の話してないじゃん。
あー。うん。あ、やくざは博打で稼ぐ人。テキヤは商売で稼ぐ人。
ジェットスキーも商売なの?
そうだよ。海の家とかもそう。
縄張りとかあるんでしょ?
あー。まあ庭場はあるね。地元に関係ないのが海の家やったら面倒じゃん。
じゃあ縄張り争いもあるってことでしょ。
いや、そういうの滅多にないし。上の方で取り決めがあるからさ。
それってやっぱりやくざと同じじゃないの。
んーとだからほら、縁日で出店なかったら寂しいじゃん。
うん。
ああいうの。人が来ないようなとこまで生活物資と笑顔を届けるんだよ。
それ自衛隊の仕事でいいんじゃない。
あーなんか俺、頭が悪いからうまく言えないんだけど・・・
うん。
なんか日本人にはハレとケってのがあってさ
ハレの日ね。よく聞く。
そうそう。お祭りとかワクワクする所に行って喜んで物を買ってもらう商売
うん。
それがテキヤって思ってもらえると分かり易いね。
でも喧嘩するんでしょ。
しないって(笑)

この日、リカコはお酒を飲んで少々甘えていたのかもしれない。
地元で慕われてるタケシのことは大好きなのだが、結局、テキヤというものがなんだかよく理解できなくて、リカコは踏み切れずにいたのだった。

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2015/05/18

覚悟していたほどの痛みもなくタケシのアレはにゅるっと吸い込まれていった



リカコは夏の終わりにタケシからの告白を受け入れてしまった。
あんぽんたんだが真っ直ぐで優しい、自分なりに見てきたタケシの人柄に間違いはないと信じたからだった。

タケシの告白があってから数日後、今度の休みはドライブに行こうとタケシが誘ってきた。
あーこれはきっとセックスに誘われてるんだよねとリカコにも分かったが、気持ちだけではなく確かなつながりが欲しいと思っていたので、タケシの思いを受け入れることにした。

当日、タケシはオンボロの軽トラックをどこからか借りてきていた。
私のボルボでいいじゃんとリカコは言ったが、運転は男がするものだとタケシは譲らず、軽トラックでのドライブになった。
実際、好き同士の若い二人でいれば、車なんかなんでもいいのだ。その日は終日楽しい一日となった。
そして夕方、タケシがハンドルを左へと切り、車は緑色のカーテンが垂れ下がるホテルへ吸い込まれていった。

部屋に入ると二人は立ったまますぐに抱き合った。
リカコはタケシの腰に手を回し、タケシの腕もリカコの背中を覆った。
タケシの胸に深々と頬をうずめ、リカコは今のこの幸せな気持ちを満喫した。
ふっと顔を上げ互いの顔を見つめ合うと、二人はごく自然にキスを交わした。
今回は誰にも邪魔されないねと、何度も何度もキスをした。

数分もキスをしたがろうか。
タケシがなかなか次の展開に移らないので、リカコもどうして良いか分からず二人はそのまま抱き合っていた。
タケシの頬がリカコの髪に触れている。互いに目を合わせないその状態のままタケシが話し始めた。

あのさ。。。ちょっとあれなんだけど。俺、初めてなんだ。

えっと驚いてリカコが顔を上げると、まだ幼さの残っているタケシの頬が見るみる紅潮していった。

そんな見んなよ。
いや。うん。わたしも初めて・・・なの。

お互いに相手が経験豊富だと思い込んでしまっていたのだ。何か二人して笑ってしまった。
ベッドの傍でそれぞれが後ろ向きで服を脱ぎ、リカコはシーツに滑り込んだ。

リカコは初めてだったが、怖いとは思わなかった。
タケシの掌がリカコの乳房をまさぐり、舌が乳首を舐め上げると嬉しさがこみ上げてきた。
思わずタケシの頭を抱え込んでしまったほどだった。
タケシの右手がリカコの腹を滑り大事なところに降りていったときも自然と足が開いた。
タケシの指はぎこちなく、リカコは気持ち良いのかどうかも分からなかったが、初めて同士の二人は必死だった。

タケシはコンドームの袋を手に取ると、パッケージを破って、ゴムを亀頭の先端からかぶせていった。
リカコはあれが入るのかあと興味津々でタケシとアレを見ていた。

いいか
うん
あれ? えっと
いたっ。もうちょっと上。上。
ここか

リカコには覚悟していたほどの痛みもなく、タケシのアレはにゅるっと吸い込まれていった。

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2015/05/17

リカコはスマホの画面から顔を上げ車窓に流れていく工場の灯りを見つめた



5月の夜、遠藤リカコは東西線に揺られていた。

あの時のタケシ可愛かったなー(笑)
絶対にお前を幸せにするからなんて宣言してたし(笑)
あ、そうだ。もうすぐ誕生日だし、可愛いタケシ君にバイト代で何か買ってあげよう(笑)
あいつ、なにだった喜ぶかなー。靴とか? 麦藁帽(笑)
あ、やっぱシャツかなあ。

明日もきっと楽しい一日になる。
リカコはそう確信しながらスマホの画面から顔を上げ、車窓に流れてゆく遠い工場の灯りを見つめた。

遠藤タケシに続く
 
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2015/05/16

楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた



5月の金曜日、楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた。
明日行われる富津海水浴場でのイベントに、ジェットスキーを貸して欲しいと頼まれたタケシたちの親が、それなら人間ごとまるっと貸しましょうと安請け合いしたためだ。
友好関係にある神農同士のこうしたやりくりは比較的よくあることだ。

日ごろから頼まれごとは自分らの商売以上に重要だと教え込まれていたタケシたちは大慌てで準備を整えた。
タケシの兄貴分もやって来ててきぱきと指示を出し、若い者たちはアクアラインを使って前入りするように、またタケシは房総の親分さんに挨拶に伺うようにとのことだった。
親分さんに挨拶とはタケシには初めての経験である。

兄貴、挨拶ってやっぱスーツですか。
あほか、お前。仕事着でいいんだよ。稼業なんだから。
いいんですか。
いい。ただし背筋伸ばしてビシッと挨拶な。
はい。
それからこれ。藤沢の叔父さんから。
なんすかこれ。
房総の親分さんに。お見舞いだと。
あー聞いたことあります。
若い頃、世話になったって話だ。
利根川の話しですね。
おう。それそれ。

というわけで、余ったジェットスキーを1台、軽トラに乗せ、簡単な地図を頼りにタケシは千葉に向かっているのだった。
その道すがらタケシはリカコに電話を入れた。

明日は富津で仕事なんだけど来るか?
千葉? いくいくー。
リカコ、バイト終わり何時なんだっけ?
8時半くらいかなあ。
じゃあ津田沼23時待ち合わせでどうだ。
津田沼? うーん。オッケー。急いで行く。
ゆっくりでいいよ。23時な。
うん♪

去年の夏から付き合っているリカコとの関係は良好で、タケシはリカコの声を聞いているだけでも幸せな気分だった。
本当は週末といわずいつでも一緒に居たい、そんな心持ちだった。

よーし、そんじゃ一丁頑張るか。

周りを行く早い車からばんばん抜かれながらも、軽トラはタケシの軽快な運転で京葉道路をひた走った。

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2015/05/15

件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった



件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった。
広い屋敷の隣はトタン作りの工場のようになっており、だぼシャツ姿の兄さん方が明日の準備かトラックへの出店の積み込みをやっていた。
タケシはその工場の隅っこに車を停め、兄さん方に軽く会釈しながら、屋敷の玄関に入っていった。
昔ながらの造りの家である。玄関をくぐると、一瞬、空気がシンとしたような気がした。
雰囲気に押されまいと、タケシは大きな声を張り上げた。

ごめんください。

その声に応えて、屋敷の奥から現れたのはスーツ姿にリーゼントのいかつい男だった。
兄貴、スーツじゃねーかよー。俺、Tシャツとジーンズで来ちまったよー。とタケシは思ったがもうしようがない。負けられない。

はい。なんでしょう。
神奈川の○○会の楠と申します。富津のお手伝いに参りました。親分さんにお目通りを。
お待ちください。

男が立ち上がって奥に退こうとすると、座敷の方から声が聞こえてきた。

聞こえた。聞こえた。上がってもらえ。
はい。どうぞ。

房総の親分さんの声だろう。いよいよ緊張マックスである。タケシは靴を脱いで端に揃え、男の後について座敷の入り口に立った。

失礼します。

深々と下げた頭を上げると、座敷の真ん中にはベッドが置かれ、柔和そうなおじさんが半身を起こしていた。
タケシは男に導かれて少し離れた場所に正座をした。親分の目を見据えた後に、再び頭を下げる。

初めまして。神奈川の○○会の楠と申します。○○に言われまして富津のお手伝いに参りました。
うん。無理を言ってすまないね。遠いとこ良く来てくれた。

雰囲気に飲まれまいと気張って声を張り上げるタケシに対して、親分さんは物腰の柔らかい声だった。

○○からくれぐれ宜しくと。それと、これは藤沢の叔父貴からの託けです。
藤沢っていうとあれか。源ちゃんか。あいつは元気にしてんのかい。
あ、はい。なかなか私ではお会いする機会もありませんが、元気にバイしてらっしゃいます。
そうかそうか。あいつも律儀だな。

親分さんの眉が垂れ下がり、昔を懐かしむような顔になった。

あいつが食えないときに利根川のアサリ掘らせてたの俺なんだ。わっはっは。
はい。酒の席で叔父貴から聞かされております。
そうか。そうか。わっはっは。げほげほ。

いかつい男がそろそろとタケシに目配せし、親分!とベッドの傍に移った。

うん。分かった分かった。じゃあ悪いけど明日は頼むよ。あと神奈川にもよろしくな。
はい。承りました。

タケシは再び深々と頭を下げ、男に導かれて座敷を後にした。
時間にすれば10分も経っていないのだが、背中には汗をかいているようだ。しかし、タケシはなんとかやり切った感じでほっとしていた。
と、ここでいかつい男が「若い人たちに」と内ポケットから封筒を取り出した。
そんな展開は予想もせず、どうして良いか分からなかったタケシがまごまごしていると、「こういうのはもらっとくもんだ」とやっと男が笑った。

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2015/05/14

母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。



タケシは軽トラに戻ると、いかつい男からもらったご祝儀をダッシュボードに突っ込んだ。
妙な言葉遣いをしなかったか。俺はうまくやれたのかなと、今になって脇汗が吹き出してきた。

(まあ、なるようにしかならねえしな。)
(怒られなかったんだから大丈夫だろう。)

タケシは親分さんの家から軽トラを出しリカコと待ち合わせの津田沼へと向かった。
リカコとの待ち合わせは23時だったので、まだ全然余裕だ。
夕焼けの中、市道をのんびりと走っていたタケシは、道沿いの先にデニーズの看板を見つけた。
一仕事終えた感でくたくただったタケシは、ハンドルを切って車をデニーズの駐車場に滑り込ませた。
荷台に結びつけたジェットスキーのロープの張りを確認して、タケシはデニーズに入って行った。

オムライス。

リカコとの待ち合わせまでにはまだ随分ある。軽く食事をすませておこうとタケシは注文した。
「デニーズは、やっぱりオムライスだよな」独り言をつぶやいてタケシは一人笑った。
オーダーを取りに来たパートは一瞬怪訝そうな顔を見せたが、かしこまりましたと注文を通しに下がっていった。

子供の頃、親父と一緒にデニーズに来たよなあ。

タケシの父親は肉体労働者で川崎の工場に通っていた。
タケシとはよくキャッチボールをして遊んでくれた。今で言う子煩悩な親だった。
キャッチボールが終わればデニーズだ。

「お前玉投げるの早くなったなあ」
「うん」
「よし。何でも食え。アイスか?ジュースか?」
「なんでもいい?」
「おお。何食いたい。」
「オムライス!」
「腹減ったのか。」
「うん。」
「そうか。よし大きくなれ。ねえさん、オムライスな。」

こんな時の父親は上機嫌だった。
自分はビールを飲みながら、タケシがオムライスを食べるのを目を細めて見ているのだった。
二人の話題は大抵野球で、ベイスターズの選手の一人ひとりについて語り合った。

そんなタケシの父親はタケシが10歳の時に亡くなった。
交通事故だった。

保険だか年金だか慰謝料だかで生活は苦しくなかったはずだが、母親が塞ぎ込んでしまった。
そんな母親を勇気付けようとタケシ少年は家事を手伝い、勤めて明るく振舞った。
数年で母親も明るさを取り戻したが、それはタケシの功ではなく、タケシの知らない大人の男のおかげのようだった。
母親はなにか綺麗におめかしして出かけるようになり、15のタケシにもなんとなくそれは分かった。
母親はタケシを気にしてか男と籍を入れることはなかったが、タケシには気に食わなかった。
タケシは荒れて学校でも大暴れし、いつしか暗い世界にも出入りするようになって行った。

(ちぇ。暗いこと思い出しちまったな。)

今ではタケシにも母親の気持ちが分かるようになり、普通に接することができるようになっている。
母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。

(俺が子供だったんだ。大人の男になりゃいいんだよな。)

タケシは運ばれてきたオムライスにスプーンを刺し、大きな口でぱくついた。

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2015/05/13

ビルの陰から10数人近い男女が現れ、タケシの車に近づいてくるのが見えた。



タケシは津田沼駅のロータリーに車を突っ込んだ。
コンビニで立ち読みをして時間を調整したのだが、それでもやはり早くついてしまった。

(もっと停めやすいところねーかな)

夜風が肌寒いので助手席からアロハシャツを取り煙草に火をつけて、5,6歩歩き始めたときだった。
ビルの陰から10数人近い男女が現れ、ロータリーに停めたタケシの車に近づいてくるのが見えた。
若者らは聞き慣れない言葉で声を荒げ、タケシの車を指差した。

ち、面倒なのがきやがったなあ。

タケシが車を動かそうと運転席側に回ると、それよりも早く異国の若者らが車を囲んだ。
わーきゃー言いながら女の一人が手を伸ばしてジェットスキーに触ろうとするので、タケシは車のドアを離れ荷台に回った。

おい。触んなよ。

女がジェットスキーに伸ばした手をタケシが払うと、若者らはタケシを囲んだ。男と女の2重の輪だった。
そして口々に罵声のようなものを浴びせるが、何を言っているのかタケシには分からなかった。
異国の言葉だ。聞き慣れない言葉の間に「ずるい、ずるい」という単語が挟まる。

なにがズルイんだよ。馬鹿。

タケシを囲んだ集団の中でもひときわ背の高い男がタケシの目の前に立ち、火を吹くような勢いで罵り始めた。
うるせーなーこの馬鹿と、タケシが目線を横にやると、先ほどの女が荷台に乗り込もうとしているのが見えた。

あ、コラ!

半身をよじって一歩女に近づこうとした瞬間、タケシの後ろ頭に衝撃が走った。
一瞬で目の前が暗くなる。

・・・

ポケットをもぞもぞと探られる感触でタケシは目覚めた。
どうやらビルの隙間の薄暗がりに転がされているようだ。
目の前に金髪で目の釣りあがった男の顔があったので、タケシは右腕を振り上げ男を追い払った。
とその瞬間、鼻っ柱を激痛が襲い、まぶたの裏に紫の星が点滅した。
鼻を手で覆いながら薄目をあけて周りを見ると、先ほどの男の集団に囲まれているようだ。
おそらく横に立っている別の男からの顔面蹴りがヒットしたのであろう。

(くっそ。最悪だな。)

丸くなって転がるタケシのズボンに金髪が手を入れてきた。
タケシが抵抗すると、腹や背中に容赦のない蹴りが降り注いだ。
そのうち、ゴキンっと酷い音がして右足に激痛が走った。
タケシはうめいて転がったが、右足は動かなくなっていた。
ガランと重いプラスチックが転がる音がした。
ビールケースだろう。男らが笑い声を上げた。

先ほどの金髪がタケシの右ポケットから車のキーを引き抜き、勝ち誇ったように右手をかざした。
若者らは大声で歓声を上げた。

馬鹿野郎!返せよ!

タケシが身をよじって金髪の足にしがみつくと、周りからまたもや蹴りが降り注いだ。
その蹴りは、タケシの頭と言わず首、手のひら、ひじ、ひざ、そして折れているであろう右足にも容赦なくつき刺さった。
異国の集団は、タケシが完全に動かなくなるまで蹴り続けた。
 
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2015/05/12

星も見えないビルの隙間、タケシの口元から煙草がこぼれ落ちた



薄暗い闇の中でタケシは目覚めた。
頭と体がズキズキと痛む上、前もよく見えない。
腫れたまぶたを上げ、目玉を動かして周りを見ると、自分がビルの壁かなにかに寄りかかるように座っているのが分かった。
力を入れてみるが足は両方とも動かない、右腕も上がらない状態だった。

(くっそ。あいつら。)

左の遠い雑踏の方からわずかに光が漏れてきていた。
タケシは唯一動く左腕を返して時計を見てみたが、その時計はガラスが割れ、針もなくなっていた。

(何時なんだよ。くそ。リカコ待たせてるな。これ。)

タケシは胸ポケットからくちゃくちゃになった煙草を引っ張り出し、どうにか口に咥えた。
震える左手でライターの火をつけ、小さく吸い込む。

(どうすっかな。リカコ。。。)

タケシは二口目を吸って、目を瞑った。

(リカコ。。。)

左手がだらんと垂れ下がる。星も見えないビルの隙間、タケシの口元から煙草がこぼれ落ちた。

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2015/05/04

大学時代の彼に偶然出会っちゃった




いやー今日は参っちゃったなあ。
まさかあんなところで武田君に会うとは、びっくりよね。
あー、でも、早く帰んなきゃ、旦那に叱られちゃうー。
でも武田君、あんなエリートになってるなんて。うふ。

人も少ない5月の東西線で、粟屋朋子はまだ股間に異物を感じながら今日のことを思い出していた。
思い返してみると何かでき過ぎなのだが、まったくもって縁とは不思議なものだと妙に感心していた。

粟屋朋子は福岡県の出身だ。
福岡県というと日本の5大都市にも数えられ都市部のイメージがあるが、実際には博多近辺が栄えているだけで、少し足を伸ばせば、かつての炭鉱町やのどかな田園風景が続く田舎が広がっている。
朋子はそんな田舎で生まれ育った。
幼い頃からそこそこ賢かった朋子は地元の進学校から神戸の大学へと進み、ちょっとはっちゃけて大学デビューを果たした。
前述の武田と出会ったのはその頃である。武田はぱっと見の良い男で、その頃はちゃらいサークルの幹事をやっていた。
神戸という都会にやってきたばかりの朋子は、すっかりと騙され良い玩具にされてしまったのである。
それでも武田について歩けば自分のしらなかった楽しいことが色々と多く、朋子にとってそれはそれでいい思い出だった。
朋子は大学卒業後、関西の洋服メーカーに就職し、同じ部の先輩とあっさりできちゃった婚。
その後は、旦那の転勤について千葉へやってきていた。

ところで朋子の出身校である福岡の進学校は結束が固く、毎夏、関東在住者による同窓会を盛大に行っていた。
今年は関東支部同窓会の幹事が朋子の卒業年度に割り当てられており、今日はその集まりだった。
すでに色々なつてから連絡名簿が作られており、専業主婦連はお昼から早々に集まって旧交を暖め、幹事会に向けての更なる連絡名簿の作成などを話し合った。
まあ、4時間以上、無駄話をしていただけだが。

と、そのホテルに武田が居たのである。

専業主婦連との連絡会議が終わり、友達に囲まれてホテルのロビーを歩いていたときに、それは起こった。
朋子が歩いているとき、ロビーの椅子に座って新聞を読んでいた男性が顔を上げるのが目の端に見えた。
その男性がすっと立ち上がったので、朋子は何かと思ってそちらを向いた。
途端に二人の顔がぎょっとなった。朋子が友達と共に歩くにつれ二人の距離が徐々に狭まっていく。

橋下?
武田君?

互いに同時に声が出た。

うわー橋下、久しぶりだなあ。お前、東京にいるのかー。
武田君こそ東京なんだー。

男性から旧姓で呼び捨てにされるのは久しぶりだった。
朋子の友達が興味深そうに二人を覗き込むので、朋子は大学時代の友達と簡単に紹介した。
武田は軽く会釈した。
ホテルの出口が近かったので友達たちとは再会の約束をし、朋子は5,6歩下がってもう一度、武田のもとまで戻ってきた。

友達とランチ会かなにか?
うん、高校時代のね。今度、こっちで同窓会があるから。
幹事会みたいなやつか。え、今、こっちにいるの?
そうそう。武田君は?
俺は出張中。ここ泊まってるんだけどね。
えー。リッチじゃーん。
 
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2015/05/03

まずは一押し。キスからスタート。



という流れから部屋について来てしまった。
なんだか武田と会うとおサセに戻ってしまう、いけない朋子である。

眺めいいねー。
そうかー。お前、都会に居るんだからこんなのいつも見てんだろー。
でも千葉だからねー。
千葉どこ?
浦安のあたり。
ディズニーあるじゃん。
うん、まあだいぶ遠いけど。
そっか。
武田君、今、なにやってるの?
名刺見る?
うん、頂戴。頂戴。
うわー。県庁じゃん。そんな賢かったっけー。
卒業して、一度就職してから、入りなおしたんだよ。
すごーい。格好いいねー。
普通だよ。普通。な、それより。

武田が手を伸ばした。

あ、ダメダメ。あたし主婦だよ。
つって付いて来てんじゃん。
もう子どもも大きいし、おばちゃんだし。
そんなことないよ。相変わらず綺麗にしてるし。ほら。

武田が手を引いて、朋子は武田の腕の中に納まった。

もう。だめだって。
じゃあ、キスだけ。昔みたいに。
キスだけだよ。本当に。
うん。
ちゅ。
えー。そんなキスじゃなかったじゃん。ちゅる。
だめだって。むぐぐ。
お前、ホントいい匂い。べろん。じゅる。
んふ。もう。れろれろ。んー。
いつもこんなだったな。
あ、胸さわっちゃ・・・んー。もう。ここまで。

朋子が武田を突き飛ばした。武田は2歩下がったが怯まない。
もう一度、朋子を腕の中に引き込んだ。

なあ、俺もうこんなになってるんだから。
武田君、あたし主婦だって。昔と違うの。
旦那さんと最近してる?
そりゃしてないけど。
じゃあ良いじゃん。
良くないって。
あ、分かった。じゃあ絶対に中に入れない。
いやそういう問題じゃないって。
手で、手で抜くのはどう。
武田君、そんなキャラだったっけ?


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2015/05/02

いやいやと言いながら、手ぐらい良いかなと思う、押しに弱い女



とか何とか言いながら、手ぐらい良いかと思う、そもそも押しに弱いタイプの朋子であった。

じゃあ、手で抜いたら帰るからね。
お、マジで。
とっとと脱いで、そこに立って。
喜んで。かちゃかちゃバサ。ぼろーん。
あら、こんなに大きかったっけ。ていうか部屋明るいね。コキコキ。
あーもうちょっとゆっくり。気持ちいー。
そう。。気持ちいい? 両手の方がいいのかな。
あーそれもいいね。
我慢汁出てきてるよー。ほらー。くいっくいっ。
先だけ責めるの、やめテ。
気持ちいいんだ。
うん。ねえ。ちょっとだけちゅってしてよ。
キスのこと?
いや、分かるでしょ。
バカ。もう。ちゅ。
おお。。もう一回。
ちゅ。ちゅ。
あ、手を止めないで。
武田君、文句が多い。
文句言わないから。上から咥えてよ。お願い。
はあー。もう。
お願い。おねが
パク、んー、んー、んー、モガ
超気持ちいー。朋子すごい気持ちいいよ。
もう、バカ。パク。ちゅ。
ねえ、朋子。絶対入れないから。お前の見たいな。
それ止まらなくなるでしょ。
だって学生時代思い出したんだもん。
見るだけ?
見るだけ。
絶対?
ぜったい。俺、自分の手でイクから。
じゃあ、そこに立ってて。絶対ベッドに上がっちゃだめ。
分かった。

実は朋子も濡れまくっていたのだがそれは武田には秘密だ。
朋子は腰かけていたベッドの上にずり上がると、スカートで隠してストッキングとショーツを脱いだ。

動いちゃだめだからね。パカ。
えー。もっとスカート上げてくれないと暗くて見えないよ。
じゃあ、もうちょっと。すすす。早く抜いて。
見えないよー。小さくなっちゃうよ。
じゃあ終了。
もうちょっと近くまでだめかな。
じゃあ手を出さないで倒れこんで。
分かった。ばた。
これで見える? くぱぁ。
朋子めちゃめちゃ濡れて光ってるよー。
あん。

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