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2014/07/11

孝一君は変わってしまった。怖いし。私はもうついていけない。



宮本には二十歳そこそこの頃から付き合っていた彼女がいた。
服飾の専門学校時代に街で知り合ったOLの恵子だ。
恵子は小柄で地味目な女性であったが性格がよく、宮本は結婚も視野に入れた真面目な付き合いだと考えていた。

しかし、前オーナーの失踪から1年が経ち、ようやく宮本の事業が軌道に乗り始めた頃、恵子は宮本の元を去っていってしまった。
恵子曰く、孝一君は変わってしまった。怖いし。私はもうついていけない。
楽しいだけの学生時代を共に過ごし、お金もない売り子時代を二人で慎ましく過ごし、まったく先も見えない命を削るような創業時代が終わり、ようやく恵子に恩返しができると宮本が考えていた矢先のことであった。
この一年、宮本は、大きなお金を動かすようになり、また保身のために休みなく働き続けてきた。
仕事が生活の中心にあり、確かに恵子のことは疎かにしていたかもしれない。
しかしそれは将来の二人の幸せな生活を夢見てのことでもあった。
宮本は嘆き悲しんだ。
しかし更に膨張しようとする事業は、待ったなしで宮本の判断を必要としていた。
宮本26歳の頃であった。

孝ちゃんさ、いつまでもくよくよしてないで、適当に遊べばいいじゃないか。
年が明けてしばらく経ったころ、宮本は懇意にしているブティックオーナーからモデルの娘を紹介された。
紹介された子は美人で、スタイルがよく、適度にあっぱっぱーだった。
普段は宮本が仕事をしていようが、どこにいようが関係なく、思い出したときに呼び出せばすぐにやってくる。
深い考えなど何もなく、綺麗な洋服に美味しい食事、ちょっとしたサプライズさえあれば機嫌のいい、つれて歩くだけのアクセサリーのような女だった。
そんな女に気持ちを込める必要などないのだが、根が真面目な宮本は、情にほだされて徐々にその女にはまっていく。
彼女の名前を真理子という。
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