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2014/09/07

生活苦と望郷の念



水曜の夜、長田陽子は携帯に電話番号の残っている
故郷の友人に電話をかけまくっていた。

陽子は結婚して、今、神戸市内に住んでいるのだが
この週末に高校時代の友人の結婚式に呼ばれたため
久しぶりに旦那を置いて地元の尾道に帰れるのだった。

だが金曜の夜、遊ぶ予定だった友人に急な用事が入ってしまった。
兎に角、はめを外して思いっきり遊びたい。
そういう一緒に遊んでくれる友達を探していた。

造船会社で働く夫に連れられて地元を離れてから2年
陽子は未だに神戸の街に馴染めずにいた。
自分が育った尾道の素朴で懐かしい雰囲気に比べると
神戸は何もかもが気取っているように思えた。

また陽子は関西弁にも馴染めず、自分がなにか話すと
どこの田舎者ですか?と思われているのではないかと感じ
外出した時の口数もすっかり少なくなっていた。


陽子は若くして結婚した。
神戸からやってきた前途有望な若手課長を捕まえた。
これでやっとしがらみだらけの田舎町から開放されるのだ。
結婚したときには、そんな晴れがましい気分だった。

夫の地元である神戸の、海に面したホテルで披露宴を行った。
友人や知人をたくさん招き、みんなから祝福された。
みんなが羨ましいと言ってくれ陽子は有頂天だった。
だがそこが幸せのピークだった。

先に書いたような知らない土地の軋轢と言葉の壁もあるが
それ以上に憂鬱なのは夫と義父の借金であった。
義父は自営で新聞販売所を営んでいた。

かつては大きく儲け、街の顔役にまでなっていたのだが
販売網を拡張しようとしたところで義父が事業に躓いた。
その時の借金は3,000万円を越えていた。

そのタイミングで自己破産でもすれば傷も浅かったのだろうが
かつての栄光が忘れられず、まだいけると義父は借金を重ねた。
どうにも立ち行かなくなると息子からも無心をした。

陽子の夫の長田隆一は真面目に働く男であったが
なにせまだ若く、給料だって多いわけじゃない。
また付き合いの飲みごとも多く家計はいつも火の車だった。

そうした様々な事情が陽子の望郷の念を生んだ。
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