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2015/03/08

朝起きたら耳が聞こえなくてびっくりしたぜ



野村祐樹は電車のスツールに寄りかかっていた。

(たまにむわっと香るんだよなー。マジやばいなー。)

彼は今、周囲の人間にばれないように気をつけながら自分の服にこびりついた女の体臭を確認していた。
祐樹の鼻がバカになっているのかどの程度匂うのかがよく分からなかったので彼はシャツの襟を両手でひっぱり胸に向けて再び鼻をスンスンと鳴らしてみた。
5月の東西線は立つ人影もまばらで、もし乗客の誰かが彼のその行為を見ていたならば、それはきっと奇妙な光景に映ったであろう。

(電車降りたら煙草の煙を吹きかけて匂いをごまかすか。それにしても。。。)

祐樹は今日のめくるめくセックスを思い出し始めた。若い彼はそれだけでまた勃起してしまう。他の乗客にばれないようにドア側を向き、勃起したペニスの位置を直しながら祐樹は寺島順子との出会いから回想を始めた。
寺島順子との出会いは病院であった。



昨年の12月、祐樹が眠りから覚めると同時に右耳に違和感を感じた。ふと目に入った枕には少しだけ血が付き、擦れた痕がついている。祐樹が慌てて耳に手をやると指先にも血が付いた。頬もざらざらした感じだ。慌てて起き上がり姿見で自分の横顔を見ると確かに耳から出血している。祐樹はその時、右耳の聞こえ方が極端に悪くなっていることに気がついた。

中耳炎か。

自分の発した言葉が右耳の中でくぐもり、骨を通して頭の中に響いた。

あー。あー。あー。やっぱり中耳炎だな。

祐樹は幼い頃から鼻の通りが悪く、冬になると中耳炎を発症することがあった。この音の篭り方は中耳炎に違いない。しかし何かがおかしいと感じた。通常、耳垂れが出るほどに中耳炎が悪化したときには、その前に耳の中の炎症で顎を動かすことすらできなくなるはずだった。それが何の痛みも前触れもなく、突然、朝、耳から血と膿が出てくるとは。
これは祐樹にとって経験のないことだった。

不安になった祐樹は階段を降り、パートに出かける前の母親に相談をして近所の耳鼻科に行くことにした。幼い頃から通っている耳鼻科の先生の見たてでは真珠腫性中耳炎とのことだった。真珠腫性中耳炎とは、中耳炎を繰り返すうちに一部の上皮組織が球状に増殖して、耳の周りの骨を破壊する病気だ。手術による治療しかないよとのことで東京の大きな病院への紹介状を書いてくれた。

翌日、母親を伴って都内の病院へ行き、再度、診察を受けた結果、真珠腫性中耳炎に間違いないとの診断が下った。その日のうちに1月の手術日が決まり、様々な承諾書や入院のしおりをもらって家に帰ることになった。

これまでに大きな病気や怪我も無く過ごしてきた祐樹にとって入院ましてや手術というのは大変大きな不安となってのしかかった。しかし手術をしなければより大きな病気につながっていくよと医師に言われ、また母親にも今のうちに治しておきなさいと言われ、やるしかないかとの気になったのである。
 
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