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2015/08/20

このそもそもの間違いはプロジェクトに国広部長が口を挟んできたことに端を発する



このそもそもの間違いは、浩介が半年近く進めてきたプロジェクトに国広部長が口を挟んできたことに端を発する。

浩介は同じ課の先輩と男女共同参画に関するあるプロジェクトの企画立案に従事していた。
主に先輩と2人で詰めていったプロジェクトは無事遡上に乗り、関東の1県で採択されることとなった。
最終納期は1年後、金額もそこそこ付いて悪くない案件だった。
こうなれば後は横展開に持っていくというのは、会社にとって至極当然の選択である。
そこで、先輩と浩介は関東の他県にアポを取り、自ら説明をして回った。
各県に当たった感じ、どこも悪くない感触だった。
そこで更に業務拡大を行った。
東北と近畿には支社の担当者レベルで説明を行い、それぞれ県担当者に当たりをつけてもらうこととした。
そして今度はと、中国地方への説明を企画していたときに、第1開発部の国広部長から声をかけられたのである。

曰く、広島には直接自分が説明をしに行く。ついては前日に岡山にアポを取り、説明するところを見せて欲しい。君たちはその後、鳥取に行けばよい。とのことだった。

国広部長はもともと広島でソフト会社を興していた人物だ。
噂では、広島から岡山、山口と瀬戸内を中心に事業の手を広げ、200名規模の会社になったときに、突然、資金がショートした。
にっちもさっちも行かなくなっているところを、浩介が勤める会社が商圏ごと丸々買い取ったという風に聞いている。
急速に全国展開を進める独立系ソフト会社が地場の会社を吸収するというのはよくあることだ。
事実、今子の時点でも中部地方で吸収工作が進められていた。
そして、国広自身も自身の会社をバイアウトするだけでなく、今の会社に籍を移して開発部長として納まったということだ。

浩介は考えた。
国広としては故郷に錦を飾りたいのだろう。
彼の噂として、筋の良い案件を中国地方に持っていくときには何かとネタに絡んでくるという話を聞いたことがある。
しかし実際に国広は広島において顔役で、この案件が成約する確率を高めるだろうと思われたので、浩介はこの件に関して問題なしと判断した。
というのが、一般に中国五県というものの各県は地方に対する帰属意識が低く、例えば、岡山は兵庫を向いており、大きな市場である広島県さえ押さえれば他の3県はプロジェクトに乗ってくる可能性が高いからだ。

ただ、国広の指定した日というのがプロジェクトを一緒に進めてきた先輩にとって都合が悪く、どうしても外せない日と重なってしまった。
しかし、「お前ならもう大丈夫だろう」と先輩から太鼓判を押され、結局、岡山の説明会へは、国広部長、浩介、そして上原梢が向かうことになったのである。
そう。国広部長がわざわざ指定した日は、別件で国広と上原が広島・山口を回ることになっていた日なのだった。



岡山へは新幹線での移動となった。
東海道も近くなったもので今や3時間半もあれば岡山についてしまう。
午前中に全員が東京駅に集合すれば、午後遅くの会議には十分に間に合ってしまうのである。

行きの車内では国広部長と上原梢が隣掛けに座り、何やら資料をめくって打ち合わせを行っていた。
一方、浩介は慣れたもので、することもなく窓の外を眺めていた。

岡山では広島支社から応援に来てくれた営業の某がレンタカーを用意して待っていてくれた。
どうやらこの男は国広とは顔なじみらしく、車の中で何か懐かしそうに二人で話を広げていた。
この某という社員は、明日、浩介が鳥取に説明に行くのに同行してくれることにもなっていた。



岡山の説明会では、上原は資料を配ったり甲斐甲斐しく働き、国広部長は冗談を飛ばして場を和ませ、一方で浩介は流れるようにプレゼンを進めた。
これまで各県でさんざん行ってきた自分の企画のプレゼンである。浩介がミスをするはずもなかった。
担当者からの最後の質問も想定された範囲内で、カスタマイズの金額も概算をすらすらと伝えることができた。
まったく問題もない。一行はよく訓練されたチームのようだった。
 
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